デルタヘッジで利益をあげるのが難しいわけ~デルタヘッジとは何か

      2018/07/04

オプションの売買戦略にデルタヘッジというものがあるのをご存知の方も多いと思います。
デルタヘッジというのは価格変動リスクがないとか、価格変動リスクを抑えて利益が出る手法などと言われる反面、実際やってみると利益がなかなかでないという声も聞きます。
価格変動リスクがないとしても、なぜ利益があがるのか、その理屈を理論立てて紹介しているものがなかなかありません。
過去のデータを引っ張ってきてデルタが変動したら先物を売買してデルタを調整する。するとあら不思議利益が積みあがっていく。

そこでデルタヘッジとはなにかという本質から、それが分かったとして肝心のどうやって利益を出すのか?或いは利益が出る構造を調べてみました。

ということで、こちらの論文に端的に書いてありました→file:///C:/Users/ty/Documents/IPSJ-TOM0403002.pdf

オプション価格はブラックショールズモデルを用いて計算されている。※ブラックショールズの正確な計算式は分からなくても構いません。概要を知っているだけで上記論文は理解できると思います。
オプション価格を計算する際に未知のパラメータはボラティリティのみ。
このボラティリティは市場で決定されるIV=インプライドボラティリティを用いている。
デルタをヘッジすることによってこのIVが売買対象になる。
もし、このIVが実現ボラティリティよりも高ければデルタヘッジをしてそのオプションを売れば利益となり、安ければデルタヘッジしてそのオプションを買えば利益となる。
そうなると実現ボラティリティが正確に予測できれば利益があげられることになる。

勿論、ボラティリティの正確な予測ができるかどうかはまた別問題ですし、上記論文の中でも過去の統計からとった実現ボラティリティを使ってデルタヘッジを行うバックテストを行うと収益はプラスになるものの、予測ボラティリティで行うとマイナスになると言及されています。
正確な実現ボラティリティが予測できればそれこそ夢の錬金術の完成。多くの人がブラックショールズモデルに見たロマンでございます。

通常IVを売るとかボラを買う、などと言われている時のボラティリティはこの市場で取引されているオプション価格のボラティリティを言っており、原資産のボラティリティはほとんど考慮されることがありません。最近のIVより高いから売るとか、ヒストリカルボラティリティという場合もオプション価格から算出している場合が多いです。

例えば、概ねコールのIVよりプットのIVが高いため、高いIVを売る=プットを売ってコールを買って先物を売りをあててデルタヘッジを行うなどの場合、上記理屈からいうと間違っているということになります。ただ、それでも利益がでることはあるわけであり、価格変動リスクがない、或いは少ないということは言えるわけですから決してオプションの売買戦略として間違っているとは言えません。

ブラックショールズは正規分布を用いていますが、そもそも株価は正規分布に従っていないとも言われているので、まぁそうなるとどこまでその理論を信用していいのかは分からなくなるわけですが、とりあえず理屈を知っておくというのはいいのかもしれません。

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