デルタヘッジで利益をあげるのが難しいわけ~デルタヘッジの本質

      2018/05/25

デルタヘッジをすることにより価格変動リスクを抑え、かつ利益があがるという紹介がある反面、実際やってみるとなかなか利益があがらないという話も多いです。

デルタヘッジと言えばまっさきに価格変動リスクがない、あるいは抑えるそして利益がでるという錬金術のようなことが独り歩きしているように思われます。価格変動リスクがないとしても、なぜ利益があがるのかについて詳細に説明している人はほとんどいないように思います。
過去のデータを引っ張ってきてデルタが変動したら先物を売買してデルタを調整する。するとあら不思議利益が積みあがっていく。

そこでデルタヘッジとはなにかという本質から、それが分かったとして肝心のどうやって利益を出すのか?或いは利益が出る構造を知りたいわけです。

とうことで、こちらの論文に端的に書いてありました→file:///C:/Users/ty/Documents/IPSJ-TOM0403002.pdf

オプション価格はブラックショールズモデルを用いて計算されている。
オプション価格を計算する際に未知のパラメータはボラティリティのみ。
このボラティリティ市場で決定されるIV=インプライドボラティリティを用いている。
デルタをヘッジすることによってこのIVが売買対象になる。
もし、このIVが実現ボラティリティよりも高ければデルタヘッジをしてそのオプションを売れば利益となり、安ければデルタヘッジで買えば利益となる。
そうなると実現ボラティリティが正確に予測できれば利益があげられることになる。
勿論、正確な予測ができるかどうかはまた別問題ですし、上記論文の中でも過去の統計からとった実現ボラティリティを使ってデルタヘッジを行うバックテストを行うと収益はプラスになるものの、予測ボラティリティで行うとマイナスになると言及されています。
正確な実現ボラティリティが予測できればそれこそ夢の錬金術の完成。多くの人がブラックショールズモデルに見たロマンでございます。

通常IVを売るとかボラを買う、などと言われている時のボラティリティはこの市場で取引されているオプション価格のボラティリティを言っており、原資産のボラティリティはほとんど考慮されることがありません。最近のIVより高いから売るとか、ヒストリカルボラティリティという場合もオプション価格から算出している場合が多いです。
例えば、概ねコールのIVよりプットのIVが高いため、高いIVを売る=プットを売ってコールを買って先物を売りをあててデルタヘッジを行うなどの場合、上記理屈からいうと間違っているということになります。ただ、それでも利益がでることはあるわけであり、価格変動リスクがない、或いは少ないということは言えるわけですから決してオプションの売買戦略として間違っているとは言えません。

ブラックショールズは正規分布を用いてますが、そもそも株価は正規分布に従っていないとも言われているので、まぁそうなるとどこまでその理論を信用していいのかは分からなくなるわけですが、とりあえず理屈を知っておくというのはいいのかもしれません。

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