ボラティリティの計算をしてみよう

オプション以外でも株価変動の大きさを表す指標としてよくボラティリティが使われています。
VIX指数はオプション価格から算出されますのでボラティリティの計算やその本質を理解することは無意味ではないでしょう。
ボラティリティは端的に言えば変動率の標準偏差の事を言っています。

30日のヒストリカルボラティリティと言う場合は30日間の日次データを使った標準偏差のことを言っている。
オプションのインプライドボラティリティはプレミアムなどから逆算されているものであり、日経225オプションでヒストリカルボラティリティと呼んでいるのはインプライドボラティリティの標準偏差をとっているので日経平均のボラティリティとは違う。
1年のボラティリティという場合は365日ではなく株式市場の開いている営業日数。

ボラティリティとは何か?

ボラティリティは変動率の標準偏差のことである。
標準偏差とは、データのバラつき加減を見る目安であり、それぞれのデータと平均との差をとって2乗し、その平均を計算してルートを取って計算している。
一般に株などのボラティリティは日次の変動率を年率換算して言っている。

なぜ標準偏差にするのか?

単純な平均をとった場合の平均値とあるデータを比べた場合、そのデータがどれくらいの位置になるのかがよく分からない。
例えば平均点が60点のテストで80点をとったとしても、もしかすると一部の点数の低い者が平均点を押し下げているだけでほとんどが平均以上の点数をとっていることもある。従って平均からどれくらい離れているか=標準偏差が10点と分かれば80点の者はある程度成績がよく、70点の者は平均よりはいいとは言えるものの、実は言うほどでもない事が分かったりする。

標準偏差とは
https://atarimae.biz/archives/5379#6895

標準偏差の効用

データが正規分布に従うとすると(株の世界ではあまりあてになりませんが)
「平均-1×標準偏差」~「平均+1×標準偏差」内に、あるデータが含まれる確率が約68%

「平均-2×標準偏差」~「平均+2×標準偏差」内に、あるデータが含まれる確率が約95%

「平均-3×標準偏差」~「平均+3×標準偏差」内に、あるデータが含まれる確率が約99.7%

というような目安となる。
参考http://xn--jvrq14e4gfylt.xyz/statistical-qc.html

ボラティリティの計算

例日経平均の場合 

①今日の終値と前日終値の差を計算するわけですが、対数で計算します。エクセルではLN(終値/前日の終値)
対数については https://atarimae.biz/archives/12581
②何日分のデータをとるかはお好み次第です。そのデータを元に標準偏差を求めます。
エクセルでは標準偏差を計算する関数STDEVが頭につく関数がいくつかあります。 STDEVの違い→https://bellcurve.jp/statistics/blog/14111.html https://mathwords.net/stdev
ここではSTDEVP関数を使う事にします。

=STDEVP(データの入っているセルの始まり:終わり)*SQRT(250)

SQRTは平方根の関数です。STDEVPでデータの標準偏差を出してそれを年率(営業日数)に換算。
年率に換算しているのは通常ボラティリティとして使われているのが年率換算されているものが多いからです。

③出てきた数字の意味
過去20日の日経平均の変動率を上の式で計算し、結果7%=0.07だったとします。
この場合1か月でどれくらい動くのかあるいは1日どれくらい動くのかを見るには

1か月 √12=3.46 1か月だとルート12で割ります 7÷3.46

1日√250=15.8 7÷15.8 1日だとルート250で割ります

お気づきのように②でSQRTを乗じなければその場で1日のボラがでます。

ヒストリカルボラティリティはあくまで過去のデータを元にしているものであってこれからのボラティリティを予測するものではありません。

ボラティリティは各変動率の平均をとっているのではなく標準偏差をとっているものです。

標準偏差は平均値からどれくらいバラつきがあるかを見ています。

標準偏差により正規分布を利用できるようになります。

ボラティリティの具体的活用

ボラティリティから今年の日経平均の値幅を想定してみる

こちらのサイトに過去の日経平均の年率ボラティリティ比較したものがありました→http://column.ifis.co.jp/toshicolumn/smam-01/44128
一部抜粋すると

1975年から2014年までの40年間における日経平均株価の年間平均収益率(配当収益を除く)は6.3%です。
同様に標準偏差を計算すると22.5%
2014年末の終値は17,450円77銭から2015年の日経平均株価は68.3%の確率で14,629円61銭から22,486円54銭の範囲に収まると考えられます

日経平均が正規分布に従うと仮定した場合の話でかつ、過去40年の日経平均株価の平均値を基準に考えずに2014年の終値をベースにした場合ですが、一つの使い方としてはこのような感じになるでしょう。

日経平均株価は正規分布どおりにはなっていない

日経平均株価の正規分布についてhttp://kapokpokpok.blog63.fc2.com/blog-entry-90.html

日経平均株価は正規分布に従わないhttp://majo44.sakura.ne.jp/etc/special/13.html

ボラティリティ=標準偏差の概念が分かるとそれを利用した正規分布を利用することができます。
世の中の様々な自称が正規分布に従う傾向があるという統計学上のはなしですが、この正規分布のキモは

平均値から標準偏差±1倍以内の含有率67.8%
平均値から標準偏差±2倍以内の含有率95.3%
平均値から標準偏差±3倍以内の含有率99.7%

になるという点です。つまり標準偏差から2倍以上離れたものの出現率はわずか4.7%しかないとも見ることができます。
3倍以上だとわずか0.3%なのでほぼ出現しないとも考えられます。 が、
株の世界、日経平均株価では違うということが詳細に検証されています。http://majo44.sakura.ne.jp/etc/special/tytle.html
詳しくは上記サイトを見て頂きたいですが、株価は正規分布通りにはならないのが定説であり、正規分布に従う事を元に構築されたブラックショールズ計算式によるオプション取引などでたまに訪れる暴落によって破綻することがあるのはある意味当然なのかもしれませんね。

オプションにおけるボラティリティ

デルタヘッジについての記事でも少し触れましたが デルタヘッジとは何か?オプションのボラティリティを売買して利益をあげる オプション価格を算出するブラックショールズモデルではボラティリティを入力する必要がありますが、実際はオプションの需給によってIVが逆算されているとも言えます。
日経平均先物オプションであれば本来は日経平均先物もしくは日経平均株価のボラを用いるべきでしょうがそうはなっていません。
そこにオプション取引或いはデルタヘッジで利益をあげるチャンスがあると言えます。
勿論正確なボラティリティが分かるかどうかにかかっているわけですが。

参考になるサイト
https://www.okasan-online.co.jp/ont/use/sample/sheet/20120831.pdf
https://relentless.style/optiontrade/post-1554/#_-7
http://x-option.net/zyou11
日経平均VI指数の計算式
https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/archives/file/about_volatility_indicators_on_nikkei_225_jp.pdf
標準偏差とは
https://atarimae.biz/archives/5379#6895
自然対数とは
https://atarimae.biz/archives/12581
https://atarimae.biz/archives/10256
日経平均株価のボラティリティ
http://column.ifis.co.jp/toshicolumn/smam-01/44128
日経平均株価と正規分布
http://majo44.sakura.ne.jp/etc/special/tytle.html

公開日:
最終更新日:2018/06/13