ボラティリティとは何か?ボラティリティの計算

ボラティリティは標準偏差

標準偏差は偏差値にも使われている
平均値をだし、そこから各サンプルがどれだけ離れているかばらつきをみるものと説明される

金融の世界でなぜボラティリティが重要視されるのか

今日の株価が分かっても明日の株価は分からない。つまり今日の株価と明日の株価に関連性がないからである。
関連性がなければ予測はつかない。こういうことを自己相関がないとか定常性がないなどというらしい。
いずれにしろ予測をする方法が必要であるが、ボラティリティは自己相関がある。上がれば下がる回帰性もある。
ボラティリティの計算に使われるのはリターン、騰落率である。騰落率自体は自己相関がないものの、これを二乗にすると相関性がでてくる。リターンの絶対値でも相関がでてくる。
標準偏差の計算方法には二乗が使われている。

ボラティリティ計算方法

①平均値を求める
②偏差を求める:各サンプルの値から平均値を引いて、それを2乗する
③分散を求める:偏差の2乗の合計をサンプルの個数で割る
④分散の正の平方根を求める
エクセルの関数で簡単に算出できるものの、計算方法を理解しておくとボラティリティの性質が見えてきて何かと有用である

騰落率変動率で計算する

価格自体で計算すると動きが激しすぎるし、数十年前の株価と現在では桁も違うのでリターン、騰落率での計算をもとにする
対数で計算するとより正確な値が得られる
対数もエクセルの関数で簡単に計算できる

ボラティリティは年率で表示されている

通常のボラティリティは年率で表示されている。日々の終値の対数をとり、それを365の平方根で乗じてやる。とはいえ、株価の場合は年間の営業日数で計算したほうがより正確ではある。その場合は営業日数の平方根を乗じることになる。1か月換算なら30の平方根などとする。

ボラティリティ=標準偏差は平均からどれくらい開きがあるかをみる

平均の値から各値がどれだけ離れているか、ばらついているかを見ると言われるが実際の計算方法をみると
各値(サンプル)から平均値を引く=偏差が算出される
偏差の2乗の合計をデータの個数で割る
という工程があることからどれくらいバラついているかというより、平均値からどれくらいの開きがあるかをみているといえる

正規分布の利用

正規分布とは統計上の結果が以下のような形状のグラフを描くことをいう

このような形状のグラフを描く統計結果をもつものが世の中にはかなり多いことから正規分布の結果はかなり信頼性が高い
違う形状を描く場合は正規分布ではないがそれは以下の正規分布の確率を使えないというだけの話である
株価は正規分布通りにはならない
しかし、ここで使うボラティリティは株価そのものではなくリターン、騰落率である。とはいえ、ボラティリティであっても正規分布に似た形状ではあるものの違った確率パターンとなる

正規分布によれば
平均値から+-標準偏差1個分の範囲内に収まる確率は68.27%
+-2個分の範囲内は95.45%
+-3個分の範囲内は99.73%

になると言われている

正規分布は将来の株価を予測するものではない

1000円の株価が年率20%のボラティリティだとすると、1年後は約70%の確率で1200円から800円に収まるなどと説明される。
しかし、株価のボラティリティは日々変動しているため、仮に1年後の株価が1500円になっていた場合、1年前のボラティリティで判断すると標準偏差+2~+3の範囲内ということになり確率的には4%程度しかない稀なケースとなるものの、
1年後のボラティリティが仮に30%まで上昇していた場合、この時のボラティリティで計算すれば27%の確率ということになる。

大学入試などで使われる偏差値ではその時点で全受験者の中での相対的な位置が分かり、その時点での合格確率に使えるが、その受験者がどれくらい学力が伸びるか分からない
株価で使われるボラティリティは価格そのものではなく変動率であり現時点での株価が高いか安いかの相対的な位置を知ることはできない
変動率が大きいのか小さいのかは分かる
テストの場合はそのボラティリティから同じような条件であればある程度の予測はできるものの、株価の場合は変動率そのものの予測を建てていることになり、また現在の株価を基準にしてそのボラティリティでの予測をたてていることになる

現在のボラティリティで現在の株価を基準にした予測に意味はあるのか

テストの標準偏差で言えば仮に全員同じ受験者が受験したとしても受験日が変わり問題が変わるとボラティリティが変わってくる可能性がある
とはいえ同じような問題で前回の受験日からそう日にちがたっていない場合はボラティリティが急変する可能性が低いともいえる

サンプル数が少ないと正確性に欠ける

この点株価の場合はサンプルが対象期間の価格になるので、テストでいえば受験者が常に変化しているともいえる
サンプル数が少ないと、少ない期間同士で比較した場合にボラティリティが急変している場合がある
ボリンジャーバンドも標準偏差が用いられているがボリンジャーバンドで使われるサンプル数は一般的に20である
サンプル数が少なすぎる為かボリンジャーバンドでは+-2σや+-3σにあることが多いので正規分布とは別の見方が必要である

日、月、年でのボラティリティとは

また、日ごとの終値でボラティリティを算出する場合はサンプルを100でとっても500でとっても日ごとのボラティリティが算出される
一般的に株やFXなどで表示されているボラティリティはこれを年率換算しているものである
株式市場は土日祝は休みなので概ね245日前後に換算されている
月ごとのボラティリティを出すには月の終値を比較し、年毎のボラティリティを出すなら年ごとに算出するのが基本であるが、1年後の株価予測に日ごとのボラティリティを年率換算している場合が多い

正規分布で株価を予測するには平均変動率も考慮しなければならない

そもそも正規分布では平均値に標準偏差を+-するが、そうなると本来は変動率の平均値も出す必要があるものの一般的なボラティリティによる株価予測では平均変動率が考慮されることはない
日々のボラティリティを年率換算する場合であれば当該サンプルの平均値を考慮にいれる必要があることになる
とはいうものの、実際統計でみると変動率の日々平均が0.0何%の場合も多い

サンプル数が多いか少ないかでボラティリティは変わる

いずれにせよサンプル対象期間の長短によりボラティリティが変わる場合があるということは重要である
過去30日と過去250日で明らかに違う場合もあればあまり変わらない場合もある

ボラティリティは上昇し続けない

ボラティリティの計算方法を見ても分かるようにボラティリティが無限に上昇し続ける事はない
勿論、上昇したまま高い状態を長期間維持したり低ボラティリティが長期間続くといったことはあるものの回帰性があるのは否定しようのない事実である
とはいえ、日々のボラティリティのサンプルを長期にすると動きはゆるやかになる

各値から平均を引きその平均にする

株価の場合は上限値がないので変動幅がどんどん大きくなっていけばボラティリティも上昇し続けるように見えるが実際はそうなならない
偏差の平均もとっているからである
その意味で上昇したボラティリティはいずれ下がるという常識は経験則上だけの話ではない
いわゆる回帰性があるということになる
この点からボリンジャーバンドでは例えば+2σを超えたら買われ過ぎなどと言われるが(ボラティリティが上がっているからじきに下がる)、バンドはボラティリティではあるものの株価自体の位置が表示されているのでそうはならない。バンドが広がったがじきに狭くなるだろうとはいえる。バンドが狭くなり始めると、株価が停滞していてもバンドのチャートで見ると高い位置に留まっていることになるがその株価が高いのか安いのかはよく分からない

ボラティリティとは不安定さである

上昇相場ではボラティリティは上昇しない

また、ボラティリティが上昇している時は相場が下落している時に多い事はよく知られている
反対に上昇相場はボラティリティが低下する
ボラティリティは平均値からどれくらい各値が離れているかで判断されるので、上昇相場の場合は比較的騰落率に大きな変化がないからと言える

下落相場の場合は下落幅が大きいからというよりは大きく反発することもありその意味で文字通り不安定な相場だからだろう

上昇相場は安定、下落相場は不安定

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最終更新日:2019/02/10